グラボはマザーボードに対して垂直に差し込むため、PCケース側面からみると横置きになります。PCケースの側面がクリア材質でグラボ横置きは、見栄えが良くありません。
グラボは縦置きにすると排熱が他の機器に直接当たらなくなり、空気の循環が良くなります。
ここでは、おすすめの縦置きグラボのメリット・実際におすすめする縦置きグラボを紹介します。
グラボ(グラフィックボード)とは
グラボ(グラフィックボード)とは、パソコンに用いられる部品であり、映像信号の入出力を拡張ボードとして独立させたものです。
グラボを搭載していないパソコンでも映像やゲームができないわけではありません。CPUには内蔵GPUが搭載されているため、日常使いは十分機能します。
しかし、動画編集や高画質なゲームを行うためにはCPU内蔵のGPUでは処理性能が足りません。そのため、内蔵GPUとは別にグラボを追加することで映像処理能力を高めることができます。
縦置きグラボはこんな方におすすめ
縦置きグラボはPCケースの見栄えを良くしたい人、ハイエンドグラボを使用している人におすすめです。
グラボはファン側のデザインが凝っているため、ファン側をPCケース正面に向ける縦置きは見栄えがよくなります。
また、ハイエンドグラボは重量がありマザーボードに直接差すと、端子部分の負担が大きくよくありません。縦置きにすることで端子部分の負荷が軽減します。
縦置きグラボのメリット
縦置きグラボのメリットを解説します。
- ビジュアルが良い
- エアフローの改善
ビジュアルが良い
グラボは縦置きにすることでファン側を見せることができます。グラボのファン側はデザインが凝った物が多くあるため、グラボの横置きではせっかくのデザインを見せることができません。
グラボを縦置きに変えることでPCケース側面に、グラボのファン側を見せられるため見栄えが良くなります。自作PCユーザーにとって、PCケースのデザインは非常に重要です。
グラボを縦置きに変えることで、ビジュアルが良くなり、デザインを重視したい人に向いています。
エアフローの改善
M.2スロット周りはCPUとグラボに挟まれており、空気の流れが良いとは言えません。CPUは80℃程度まで上昇するため、冷却用のCPUクーラーを搭載しており熱風を出しています。
グラボ自体にもファンが搭載され熱風を出しているため、CPUクーラーの熱風と合わさりM.2スロット周りは空気の循環が良くありません。
グラボを縦置きに変えることで、ファンがPCケース側に排熱されるため、M.2スロット周りのエアフローが改善できます。
グラボを縦置きするときの注意点
グラボを縦置きするときの注意点を解説します。
- ライザーケーブルが必要
- サイドパネルとの隙間
ライザーケーブルが必要
ライザーケーブルとは、マザーボードのPCI-Eスロットとグラボを接続するための延長ケーブルです。グラボを縦置きにするとマザーボードと直接接続することができません。そのため、ライザーケーブルを使用して、マザーボードと接続します。
PCケース背面はグラボの出力端子をPCケース外部へ出せるように穴が空いています。しかしグラボを縦置きにするとPCケースから端子を出すことができません。HDMIやDPケーブルを接続するためには、PCケースの隙間から内部に入れなければならず多少不格好です。
また、ライザーケーブル経由でグラボを接続すると、マザーボードへ直接接続した場合と比べて、性能が下がると言われています。どの程度下がるかは事前に調べることが必要です。
サイドパネルとの隙間
グラボを縦置きにすることで、グラボのファンがPCケース側面に向くため、サイドパネルとの隙間が狭くなります。グラボのファン側は吸気に用いられているので、隙間がないとしっかりと空気を吸うことができません。
グラボを縦置きする時に使用するPCケースは、ある程度の幅がある物を選択する必要があります。PCケース購入時はケースサイズにも気を付けましょう。
縦置きグラボ用ケースのおすすめ5選
縦置きグラボ用ケースのおすすめ5選を紹介します。
CoolerMaster MasterBox NR200P Mini-ITX/DTX
- 高い冷却性能
- ハイエンドグラボ取り付けに対応
- 強化ガラス製のサイドパネル
CoolerMaster MasterBox NR200Pは7箇所に冷却ファンを搭載することができ、高負荷時にも耐えられる冷却性能を構築することができます。
ハイエンドグラボ用の3スロット占有にも対応しており、コンパクトな本体サイズでありながら、大型のグラボも搭載可能です。
参考 CoolerMaster 公式サイトThermaltake Versa H26 Black ATX
- 優れた拡張性
- 冷却性能に優れる
- 配線の取り回しがしやすい
Thermaltake Versa H26 Blackは最大7基のファンが取り付け可能となっており、フロントとリアに120mmファンを標準装備しています。ファンの効果によりCPUやグラボなどの熱風を循環させられるため、効果的に冷却することが可能です。
PCケース内のケーブルをすっきりと見せることができる電源カバーを搭載し、優れたメンテナンス製を実現しています。
参考 Thermaltake 公式サイトThermaltake VIEW 51 TG ARGB Snow Edition E-ATX
- 3面に強化ガラスパネルを採用
- 最大13基のファンを取り付け可能
- メンテナンス性に優れている
Thermaltake VIEW 51 TG ARGBはサイドパネルだけでなく、フロントとトップもガラスパネルを採用しています。そのため、サイドだけでなくフロントやトップからも、PCケース内のデザインを見ることが可能です。
最大13基の冷却ファンが搭載できるので、優れた冷却性能を持っています。
参考 Thermaltake 公式サイトNZXT H510 Elite ATX
- 水冷システムを搭載可能
- アクセスしやすい端子を搭載
- RGB LEDパーツの拡張に対応
NZXT H510 Eliteは冷却性能に優れたPCケースなので、大型で高性能なグラボを搭載できます。また、ケーストップに使用頻度の高いUSB端子などを備えているため、アクセスのしやすいPCケースです。
RGB LEDパーツを拡張でき、合計灯数24灯までLED発光パーツを取り付けできます。
参考 NZXT 公式サイトCorsair 275R Airflow Tempered Glass ATX
- 120mmファンを3基内蔵
- 拡張性に優れたストレージスペース
- ケーブル配線の取り回しが容易
Corsair 275R Airflow Tempered Glassは120mmファンを3基内蔵しているため、強いエアフローを得られるようになっています。
耐久性の高いストレージスペースは拡張性に優れ、HDDやSDDの追加が非常に簡単です。
参考 CORSAIR 公式サイト縦置きグラボ用ライザーケーブルのおすすめ5選
縦置きグラボ用ライザーケーブルのおすすめ5選を紹介します。
CoolerMaster ライザケーブル 30cm
- 取り回しの良い直角コネクタ
- 導電性や剛性に優れる
- 耐久性に優れたケーブル
CoolerMaster ライザケーブルは配線の取り回しがしやすい直角コネクタを採用しています。直角コネクタはPCケース内の狭いスペースでも配線がしやすく、綺麗に配線をまとめることが可能です。
コネクタやPCIEスロットに導電性や剛性の良い部品を採用しているため、耐久性に優れています。
参考 CoolerMaster 公式サイトCoolerMaster GPU Holder Kit ver.2 16.5cm
- 縦置き用ブラケット付属
- 大型グラボに対応
- コスパに優れる
CoolerMaster GPU Holder Kit ver.2はグラボを縦置用のブラケットとライザーケーブルが付属しているので、別途支えを買う必要がありません。
ブラケットは厚みのあるスチール素材を使っており、高い耐久性を備えています。そのため、大型のハイエンドグラボにも使用可能です。
参考 CoolerMaster 公式サイトASUS ROG STRIX RISER CABLE 24cm
- 安定した接続が可能
- EMIシールド対応のケーブルを採用
- 曲げやすく干渉の少ないデザイン
ASUS ROG STRIX RISER CABLEはASUS特許取得済のSafeSlot技術を採用しています。SafeSlotは強化金属と追加のはんだポイントを統合し、グラボを安定して接続できる技術です。
ケーブルはEMIシールド対応を採用しており、ノイズに強くパフォーマンスの劣化を防げます。
参考 ASUS 公式サイトThermaltake ライザーケーブル 30cm
- スロット直挿し時と同等性能
- フレキシブルケーブルを採用
- ケーブル長のラインナップが豊富
Thermaltake ライザーケーブルはマザーボードへの直挿し時と同等の性能を発揮できると公式が発表しています。ライザーケーブル経由はグラボの性能が下がるという検証データもあり、性能を追求しているユーザーにも最適です。
折り曲げが自由なケーブルを採用しているため、取り回しが良く綺麗に配線ができます。
参考 Thermaltake 公式サイトCORSAIR ライザーケーブル 30cm
- 取り回しの良い直角コネクタ
- EMIシールド対応のケーブルを採用
- 柔軟性が高く配線しやすい
CORSAIR ライザーケーブルは直角コネクタを採用しているため、配線時にケーブルへの負荷を最小限に抑えることができます。PCケースは狭く配線スペースが限られているので、直角コネクタは非常に便利です。
ケーブルはEMIシールド対応を採用しており、ノイズに強くパフォーマンスの劣化を防げます。
参考 CORSAIR 公式サイトライターあとがき
グラボのファン側はデザインが凝っている物が多く、LEDをRGB制御できます。しかしながら、グラボをマザーボード直挿しにすると、ファン側を見ることができません。
グラボを縦置きにすることで自作PCの見栄えが良くなり、エアフローの改善による排熱の向上も見込めます。
見栄えや排熱を重視したいユーザーは、グラボの縦置きがおすすめです。